カンサ? カンサホウジン? なんすかそれ。

ビジネス・ガバナンス

「お仕事、何されてるんですか?」

初対面の方との会話でよくあるこの質問。私が「監査法人(かんさほうじん)というところで働いています」と答えると、相手の頭の上に巨大な「?」が浮かぶのが目に見えるようです。

経済学部出身の方や、企業の経理担当の方ならまだしも、普通に生活している多くの方にとって「監査」という言葉は、「何それ? 美味いのか?」というレベルの未知の言葉。

「あ、税金の計算とかですか?」 「いえ、それは税理士さんですね……」 「じゃあ、銀行の人?」 「いや、それもちょっと違いまして……」

こんなやり取りを、私はこれまでの人生で何度繰り返してきたか分かりません。 実は、皆さんが普段使っているスマホの会社も、お気に入りの飲み物のメーカーも、この「監査」というプロセスを通らなければ、世の中に製品を出し続けることも、株を売ることもできないのです。

監査とは「究極の自己紹介」の裏取りである

「じゃあ結局、何をしてるの?」と聞かれたとき、私はこう答えるようにしています。 「会社が書いた『究極の自己紹介文(決算書)』に嘘がないかチェックする人です」と。

会社は、銀行からお金を借りたいときや、投資家に株を買ってほしいとき、全力で「自分はこんなに頑張りました!」「こんなに利益を出しました!」という自己紹介を書きます。 でも、誰だって自分を良く見せたいもの。中には、見栄を張って数字を盛ったり、都合の悪いことを隠したりしたくなる会社も出てきます。

そこで僕たちの出番です。 「1億円の売上がある」と言うなら銀行への入金記録を調べ、「1,000万円の在庫がある」と言うなら実際に寒い倉庫まで行って、箱の中に本当に商品が入っているか数えたりもします。

決められたルール(会計基準)通りに書かれているか、プロの目で厳しくチェックし、嘘がなければ「合格!」のハンコを押す。これが監査の仕事です。

綺麗事だけでは終わらない「人間同士のせめぎ合い」

こう書くと、なんだか志の高い「正義の味方」がやっている立派な仕事のように思えるかもしれません。

ですが、チェックする側の監査人も、チェックされる側の会社の人も、お互いただの「人間」です。 監査の現場は、決して毎回美しい形に収まるわけではありません。

プロ同士が同じ資料を見ながら、あーでもないこーでもないと意見を戦わせる

そこにはプロ同士のプライド、時には感情的な対立、あるいは組織の論理に挟まれた個人の苦悩といった、生々しい「人間同士のせめぎ合い」が存在します。

「大人の社会科見学」へようこそ

「監査」という言葉は身近ではないかもしれませんが、大きな会社には必ずつきまとう、非常に人間臭くて面白いドラマが詰まった世界です。

会社という組織を少し離れた場所にいる今だからこそ、忖度なしに語れるエピソードもたくさんあります。

これからこのブログを通して、そんな監査や不正調査の裏側にある「リアルな現実」を綴っていきます。大人の社会科見学のような感覚で、皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

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